私たちがつくりたいのは、付加価値を生む製造設備。
デンソーエアシステムズにおける新卒採用の情報は、まず採用サイトで発見。サイト内にはカーエアコンのホース・配管において、世界でも高いシェアを誇るメーカとありました。私は、このことから、当社が、世界中の皆さんのカーライフを快適にするために多大な努力と貢献を続けてきた会社であることを知り、ぜひ入社したいと思ったのです。そして、自動車部品メーカとして、世の中にもたらす影響の大きさにワクワクしたことも、入社意欲を掻き立てられた要素、更には、採用担当の御方の人柄も、私が入社を決める決め手になりました。
私が在籍する工機部は、当社の製品を製造するための設備の設計、製作そして調整を行う部署です。社内の関係部門からの依頼を受け、ろう付(溶接)機、配管の曲げ機をはじめ各種の成形加工機など、多様な生産設備を製作しています。部署における私の担当は、電気設計および製作。具体的には、配線図や機器制御盤、盤内配線設計等のハード面、動作制御プログラム設計等のソフト面の「両面」を担当しています。ここで、廉価かつ高性能つまり「付加価値が高い設備」を製作できると、製造工程の作業負荷の減また生産性(生産効率)の向上に寄与できると「努力が報われた、目標を達成できた」と実感することができます。
製造設備を扱う皆さんの
安全を確保することを意識して、
設計を進めていく。
社内の関係者が望む設備の仕様・能力等は、仕様書と呼ばれる書類に纏められ、工機部に依頼されます。例えば機械設計者が行う設備の動作(タイムチャート)の設定や油気圧回路の設計。これらをもとに、私の仕事がスタートします。
実際に設備が稼働する日程が定められているので、仕様を満たすことは当然ですが、予め最適な設計をする算段を付ける等、自らの作業効率も重視し、期限を遵守するためのスケジュールを考えます。自らの作業順序をシミュレーションし、各過程で必要な部品や道具を確実に洗い出す等の事前準備を確実に行うことで、作業効率を向上させることが出来ます。更に、製造工程に投入した設備が思いがけない動作をすると、実際に設備を扱う皆さんを危険に晒す恐れがあるため、安全第一の思想も、絶対に欠かすことができない要素です。
設計の際は、安全を第一に考え、安全基準の遵守、安全回路の組み込み、そして、自らの眼による入念な確認を欠かさない様に心掛けています。
外部の協力メーカと
適切に連携し、
完成度の高い製造設備をつくる。
設備の製作は、他の設備のメーカと連携することも多いです。そこには様々なパターンの協力形態があり、ときには海外拠点への設備の導入を協同で行うこともあります。私の業務のなかでは、例えば私が電気系の設計を行い、その設計をもとに協力メーカが制御盤を製作します。この場合、協力メーカが、その製作に必要な期間を考慮して納入日程を設定し、かつ、設備メーカにとり分かり易い設計上の「表現」を心掛ける等、自分自身にルールを課しています。特に重要なのは、実際に協力を依頼してからのコミュニケーションです。これを密に行うことで、双方の認識を一致させ、目標を共有する。
目標通りに、ときにはそれを上回る設備を、きっちりと作り上げることが私たちの任務。協力メーカとの連携が適切であればある程、双方が理想とする、高い付加価値を持つ設備が出来上がります。
新技術に対する電気設計は、
他部署との連携でアイデアを創造し、困難を乗り越える。
入社して2年目のとき、当社の技術開発部門が、ろう付において、使用する溶接ガスの省エネルギー化を実現するバーナーを開発しました。そして、これを採用した新型ろう付機の電気設計を私が担当しました。ところが、いざ設計に着手すると、多くの制御信号、制御方法、高機能部品そして通信方式等、自身にとり未知の領域である技術にトライしなければならないことが分かりました。私は先ず、それらの調査から始めました。例えば過去の設計事例を確認し、今回のトライに生かせる部分がないか?等々、とにかく調査と熟考の日々。当然、会社としても新技術となるので、並行して関連部門と毎日の議論を重ね、設計まで漕ぎ着けました。このときに学んだことは、自分ひとりで何もかも考え込むのではなく、皆さんの意見を柔軟に取り入れてみると、困難を切り抜ける突破口が見つかるということです。
自分の力で、という意識も当然に大切ですが、頼りになる仲間が身近にたくさんいます。皆さんと協力し、確実に歩みを進めることが重要という「気付き」を、この経験から得ることができました。若輩ながらも、困難な開発に取り組むチャンスを頂き、それを実現できたことで、技術者としての自信を実感しました。